「ソフトウェア品質のホンネ」連載中!
SQiPポータルサイトでは、SQiP委員のソフトウェア品質へのその想いをコラム的に綴る
「ソフトウェア品質のホンネ」のコーナーを好評連載中です。
肩肘張らずに気軽にお読みいただける内容を掲載していきますので、お仕事の合間などに是非ご覧ください!
※本コーナーに対するご意見、ご感想がありましたら、sqip@juse.or.jpまでお寄せください。
第5回世界ソフトウェア品質会議 開催ルポ
㈶日本科学技術連盟 安隨 正巳
1.世界のソフトウェア品質の専門家が集うWCSQ 初の中国開催
2011年10月31日(月)~11月4日(金)の期間で、中国・上海市で第5回世界ソフトウェア品質会議(5WCSQ:5th World Congress for Software Quality)が開催されました。(公式ホームページ:http://www.5wcsq.org/en/home.html)
WCSQは、全世界のソフトウェア品質専門家が集まって幅広く議論を行う国際会議であり、ASQ (The American Society for Quality)、EOQ (The European Organization for Quality)、JUSE (財団法人日本科学技術連盟)の3団体がWCSQを運営しています。
第1回会議を1995年にアメリカで開催したのを皮切りに、これまで、第2回(2000年)を横浜、第3回(2005年)をドイツ・ミュンヘン、第4回(2008年)をアメリカ)で開催しました。第5回目となる今回は、日本科学技術連盟がホストを務め、中国がローカルアレンジメントを担当しました。
2.5WCSQプログラム
5WCSQのテーマは、「United Under One Banner: Best of Best Quality」でした。これは中国語では「斉心協力 追求卓越」と表現することでおわかりの通り、世界が手と手を取り合って、卓越したソフトウェア品質を追求していこう、という意味を込めています。
プログラムは以下の通りですが、著名な経営者や、第一線で活躍する専門家らによるKeynoteのほか、ソフトウェア品質について議論が熱く交わされたパネル討論、SIG(Special Interest Group)など盛りだくさんの内容でした。
論文発表セッションでは、一般論文の発表に加え、各国のシンポジウムなどで優秀な評価を得た「ベスト・オブ・ザ・ベスト」論文の発表もありました。
3.5WCSQ参加状況
本会議は、世界の15ヶ国から400名を超える参加者が集った大変活気のあるものでした。
中国以外の参加者としては、日本46名、欧州22名、アメリカ3名、それ以外の大半は地元中国からでした。
今回5WCSQと同会場で並行して開催されていた「Cloud Computing Quality Forum」、
「Software Quality Management & Process Improvement & Innovation Forum」と合わせると延べ700名を超える方々が来場したことになります。
当初は「200名がいいところ…」と言っていた中国陣営でしたが、中国の底知れぬパワーを感じざるを得ませんでした。
4.Keynote
WCSQの特色として、毎回各局(rigion)から講演者を選出することで知られていますが、今回も豪華メンバーの講師陣となりました。
特に注目を浴びたのは、コマツ 取締役会長の坂根正弘氏の講演です。
連結売上高2兆円に迫る世界のエクセレントカンパニーのトップだけに、参加者は熱心に耳を傾けていました。また、参加の多数を占める中国人に配慮して、中国語と英語のパワーポイントが投影され、そしてもちろん中国と英語の同時通訳が行われました。
坂根会長の講演は、コマツの経営構造改革、リーダーシップ、企業価値とブランドマネジメント、コマツウェイ(企業体質づくり)、日本国籍グローバル企業、これからの日本の生き残る道、仕事学のすすめなど非常に濃い内容で、講演終了時には“得をした”気分になる多くの示唆に富んだお話でした。
誌面の関係で詳述することができないのは残念ですが、講演風景だけでもご紹介したいと思います。(テーマはプログラムをご参照ください)
5.発表
ソフトウェア品質に関連する様々な側面からの発表が合計52件ありました。地域別には、日本の20件を筆頭に欧州の16件、中国の13件、アメリカの3件という内訳です。
また、展示コーナーでも12社が出展をしていました。
発表者リストはこちら
6.Award受賞者
最終日に、世界各国からの52件の発表から合計6件のAward受賞者の発表と表彰がありました。受賞者は以下の通りですが、このうち4件が日本人の受賞であったことは特筆すべきことです。これは、日本の“ソフトウェア品質力”のレベルの高さを世界に証明したと言ってもよいと考えます。
【5WCSQ Best Paper受賞者】 ※受賞者は順不同、敬称略
・Design and Applications of Test Cases in the Business Process
Zhenyu Liu Shanghai Key Laboratory of Computer Software Testing and Evaluating
Xu Jiang Shanghai Key Laboratory of Computer Software Testing and Evaluating
Lizhi Cai Shanghai Key Laboratory of Computer Software Testing and Evaluating
・Process Improvement using XDDP – Application of XDDP to the CarNavigation System
Keiji Kobata 古畑慶次 DENSO Techno Corporation
Eiji Nakai 中井栄次 DENSO Techno Corporation
Takahiro Tsuda 津田 剛宏 DENSO Corporation
・Success Factors to Achieve Excellent Quality CMMI Level 5 Organizations
Research Report
Naomi Honda誉田直美 NEC Corporation,
【5WCSQ Best Speaker受賞者】
・Utilization of Domain-Specific Knowledge for Quality Software Design
Noriko Iizumi飯泉紀子 Hitachi High-Technologies corporation
・Ever Been Fooled by Performance Testing Results?
Mieke Gevers AQIS
・Success Factors to Achieve Excellent Quality CMMI Level 5 Organizations
Research Report
Naomi Honda誉田直美 NEC Corporation
7.その他のプログラム
その他にも、SIG、パネル討論、Technical Visitが行われました。
Technical Visitは、
•Shanghai Knowledge Innovation Comunity (KIC)
•China 863 Software Incubator ( Shanghai ) Base
を訪問しましたが、いずれも広大な敷地に設立され、国家規模で中国がソフトウェアに多額な投資をしている姿を目の当たりにし、国家として今後のソフトウェアの重要性を強く発信しているように感じました。
Baquetは、“上海リバークルーズ”という船上で行われました。日本で開催する場合は、ホテルの大宴会場で各国からの歌や踊りのアトラクション…、というパターンが多いのですが、こんなスタイルも新鮮でとてもよいと思いました。
特に上海の町並みの夜景は本当に素晴らしく、参加者の心に強く刻まれたことでしょう。
8.6WCSQはロンドン!
Closing Plenary Session で、6WCSQの案内がありました。
次回の開催は、2014年6月にイギリス・ロンドンで開催されることになりました。
現時点での詳細は未定ですが、3年に一度、世界のソフトウェア品質専門家が一堂に会するWCSQに多くの方々に参加いただきたく思います。
今から3年計画で発表のご準備を!その先には、言葉では表すことのできない達成感と多くの世界の仲間との有益な交流、ネットワークが待っています!
過去のバックナンバー
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