(1)2009年度(第25年度)ソフトウェア品質管理研究会・分科会成果発表会の報告
日科技連SQiP事務局
執筆協力:池田 浩明(インテック株式会社)
前回のトピックスで、ソフトウェア品質管理研究会(通称:SQiP研究会)の2009年度における一年間の研究会活動を振り返り、さらには2010年度の活動予定を紹介しました。今回は2009年度の活動の締めくくりである最終例会(2/26)で実施した分科会成果発表会のご紹介をいたします。
成果発表会では、一年間活動をしてきた分科会がそれぞれ発表を行い、研究会主査、副主査がその研究内容を評価した上で投票し、最優秀賞ならびに優秀賞2分科会を決定します。
今年度は、以下の3つの分科会が最優秀賞ならびに優秀賞を受賞しました。
研究成果論文は、以下に記す日科技連HPに掲載していますので、是非ご覧ください。
■2009年度研究会テーマ「今こそ、現場と学問に根ざしたソフトウェア品質の追求」に沿って進めた
一年間の研究の中で最も高い評価を受けたのは、第5分科会テスト設計グループ!
最優秀賞
第5分科会 「テスト設計グループ」
研究テーマ:「派生開発における影響箇所の把握改善によるテスト範囲の特定方法の提案」
研究成果:http://www.juse.or.jp/software/167/attachs/5_1_report.pdf
池田浩明研究会副委員長からのコメント:
- 派生開発をさらによりよいものにするために、機能間マトリクスという手法を新たに考案した点は高く評価できます。
- 機能間マトリクスによる影響箇所の特定手法には新規性が感じられます。
- 比較実験等により、提案手法の有用性を評価することを期待したいと思います。
優秀賞
第2分科会
研究テーマ:「プロジェクト描写のための情報構造~正確なプロジェクト把握のために~」
研究成果:http://www.juse.or.jp/software/167/attachs/2_report.pdf
池田浩明研究会副委員長からのコメント:
- 進捗報告の不正確性を情報構造の観点から分析するという試みはユニークです。
- 丁寧でわかりやすい内容であり、組織の現状分析や改善のための道具として実際の現場で活用できる
可能性を感じます。 - 進捗報告以外のプロジェクト情報も関連づけるとよい実際的になるでしょう。
優秀賞
第3分科会
研究テーマ:「設計者自身による設計品質作り込み-テストエンジニア視点の活かし方-」
研究成果:http://www.juse.or.jp/software/167/attachs/3-2_report.pdf
池田浩明研究会副委員長からのコメント:
- 非常に面白い研究で、実証までしている点には感心しました。
- さらに一歩踏み込んで、テスト容易性の高い設計のあり方などへの発展を期待したいと思います。