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第6回 その場でできる心身評価
~「ストレス」「筋力」「柔軟性」「体のサビ」に対する対処法②~

<監修>
清泉クリニック整形外科 スポーツ医学センター
専務理事 脇元 幸一


 パソコンに向かってデスクワークしているみなさん、肩こり・腰痛・頭痛などに悩まされていませんか? 第5回では「ストレス」「筋力」「柔軟性」「体のサビ」に対する対処法①として「食う」=「食事」についてご案内しました。第6回目となる今回は、「ストレス」「筋力」「柔軟性」「体のサビ」への対処法②として「寝る」=「睡眠」について紹介いたします。

 みなさんの生活は全て何らかのサイクルによって成り立っていて、人間が健康な生活を送るためには、このサイクルを乱すことなく生きていくことが大前提となります。では、このサイクルとは何を示すのでしょうか。
 サイクル=「リズム」、つまりサイクルとは生活のリズムを表します。例として私の一日を記載してみます。

 みなさんも毎日の生活を思い返してみて下さい。個人差はあれど、みなさんの生活はリズムを刻みながら成り立っているものです。記載例は一日のリズムですが、大きなリズムでは「1週間」「1ヶ月」「1年」「10年」、小さなリズムでは「12時間」「1時間」「1分」「1呼吸」など、必ずなんらかのリズムで行っているのです。
 日々の全てを同じリズムに整えることが最良の手段となりますが、なかなかそうはいかないこの世の中・・・。
 そこでリズムを刻む上で最も調節が可能なのが睡眠なのです。
 睡眠のリズムについて勉強してみましょう。睡眠には大きく分けて二つのサイクルが存在します。みなさんも聞いたことがあるかもしれません。
Non-REM睡眠(ノンレム睡眠)
 「体」は起きているが、「脳」が休んでいる状態であり、俗に言う"深い眠り"です。
この時には成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンは子供の筋肉や骨の成長もそうですが、大人でも胃腸や肌の修復を促すのに重要であり、新陳代謝、免疫機能、ストレス除去にも関与しています。
REM睡眠(レム睡眠)
 「脳」は起きているが、「体」が休んでいる状態であり、俗に言う"浅い眠り"のことです。
この時の脳は覚醒(起きている)時と変わらない状態であり、身体の回復をはかっている時間となります。

 このREM睡眠・Non-REM睡眠の繰り返しが睡眠であり、脳と体の休息リズムなのです。
みなさんも必ず経験していると思いますが、寝起きが爽快のときや、起こされても不快では無いという経験があると思います。逆に、すぐ起きられないときや、起こされるとすごく不快に感じるときがあったはずです。そうです!合点のいく皆さんなら想像ができたと思いますが、寝起きが良い時は"浅い眠り=体の休息"の時であり、寝起きが悪い時は"深い眠り=脳の休息"の時となります。
 目覚めのタイミングとしてNon REM睡眠では休んでいた大脳が無理やり起こされるので、頭がぼーっとし、すっきりとしません。逆にREM睡眠の段階では脳も活動しており眠気が浅いので、目覚めのタイミングに適しています。ですから、起きるときは"浅い眠り=体の休息"時に起きることでストレスなく起きることができるのです。

 では、この睡眠リズムの日常生活における実践方法をご案内します。
寝始めはNon-REM睡眠へ向かい、1.5時間後にREM睡眠のピークを迎えます。その後Non-REM睡眠へ移行し1.5時間後にまたREM睡眠のピークを迎えるという1サイクル1.5時間=90分のリズムを繰り返しています。つまり、起きる時間を"浅い眠り=体の休息"のピークに合わせ、逆算して布団に入るというようにすると良い目覚めが迎えられます。

 下の図に示すように、REM睡眠がしっかり取れると学習効果が向上することが証明されています。言い換えれば、仕事の効率をあげるためにはREM睡眠をしっかりと取ることが重要であり、睡眠がみなさんの昇進にも関係するのでは!?

 一般的な書物では7時間の睡眠を取ることが望ましいと言われています。睡眠のサイクルを示すグラフを参照していただけるとわかりやすいと思いますが、寝始めてから7時間後はちょうどREM睡眠のピークとなるのです。しかし、仕事で忙しくて7時間の睡眠が取れない方は、起床のタイミングをREM睡眠のピークに合わせるというちょっとした工夫で心身へのストレス軽減が図れます。
 REM睡眠のピークで自然に目が覚めるというのが本来の自律神経リズムにストレスをかけない唯一の方法です。目覚まし時計で起きるような生活を止め、寝る時間と起きる時間をしっかり一日のリズムに組み込むことが最大の健康を享受できるともいえます。
今後は目覚まし時計の無い生活を目標としましょう!!

 第6回となる今回は、「ストレス」「筋力」「柔軟性」「体のサビ」に対する対処法②として「寝る」「睡眠」についてご案内してきました。次回は、「ストレス」「筋力」「柔軟性」「体のサビ」対処法③として「遊ぶ」「運動」について紹介いたしますのでお楽しみに!!

(文責:清泉クリニック整形外科 スポーツ医学センター 理学診療部  嵩下 敏文)

プロフィール
嵩下 敏文(だけした としふみ)
清泉クリニック整形外科 理学診療部 部長
NPO法人FINE 理事
「慢性疼痛疾患の治療」は現代西洋医学にできないこととして位置づけられており、対処療法による医療が現状となっています。慢性疼痛疾患は我々医療従事者が治療するものではなく、痛みを有する者自身が治療を行わなければならない疾患であり、その慢性疼痛疾患の根本治療体系の確立を目指し日々の臨床、および研究活動を行っております。

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