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5. 憩いの広場「体力を科学する」

第1回 その場でできる心身評価~疲労を評価する~

清泉クリニック整形外科スポーツ医学センター 施設長
脇元 幸一


 パソコンに向かってデスクワークしている皆様、肩こり・腰痛・頭痛などに悩まされていませんか?
今回から数回にわたって「体力を科学する」と題して、皆様に有益な情報をお伝えしていきます。ここでの情報は、NHK番組「健康ほっとらいん」で、過去数回にわたって私が紹介した内容です。しっかりとしたエビデンスに基づいて、シンプルに「体の不思議」をまとめ上げました。是非、ご自分の心身状態を正確に把握し、対処法を学び、自己コントロールに役立ててください。

さて第1回は『その場でできる心身評価~疲労を評価する~』です。この評価は、頭の疲れが溜まっていないか?内臓の疲れが溜まっていないか?の判定です。


頭の疲れか?内臓の疲れか?


 図1のように背中の胸椎の部分を上半分と下半分に分けます(女性はブラのホックのラインで分けます)。
図1に示す胸椎範囲にあたる左右の背筋を上から下に向かって、トントンと他の人に叩いてもらいます。「鈍い痛み」または響くような「いた気持ちよさ」を感じる部分を探します。最初は軽く叩いて痛みが感じられなければ、徐々に強く叩いてください。
それが図1の上半分に集中している場合は「頭の疲れ」が筋肉の硬さとして現れている状態とみなします。パソコンによる目の疲れ、心のストレスが溜まることが主な原因となります。
一方、響きが図1の下半分に集中していれば「内臓の疲れ」が筋肉の硬さとなって現れているとみなします。睡眠不足・動物性タンパク(肉・魚・乳製品)の摂り過ぎが主な原因となります。
上下全域に渡って痛みを感じる方は、デスクワークの疲れや、仕事・プライベートでの精神的ストレス・外食が多い・睡眠不足気味など、複数の原因によって現れている症状とみなします。
以上は未病(病気になる寸前)の段階での評価として有用です。まずご自分の体を評価してみてください。

   

 さぁ、ここで心身の健康を保っている方と心身疲労の強い方のレントゲン写真を比較してみましょう。図2は健康な方の背骨のラインです。健康な方は首(図中A)・腰(図中B)は前弯(前に弯曲)しており、その間の胸椎(図中C)は後弯(後ろに弯曲)しているのがお分かりでしょう。
一方、図3は強い肩こり・頭痛と腰痛に悩む患者様の背骨のラインを示します。まず首(図中D)・腰(図中E)を良く見てください。腰も首も前弯が消失し、まっすぐになっているのがわかります。こうなったら、普段の生活も困難なほど、症状が強く出るため、仕事を辞め、治療に専念するしかありません…。当然この患者様は胸椎上下部分全域に渡って叩くと、強い痛みを訴えます。
では、誰でも疲れると図3のようになるのか…?そうではありません。図3のようになるには、もう一つ条件が必要になります。その条件とは『体力』です。体力が低くなるという条件が加わると、図3のような背骨のラインに変化していくのです。



 これから先は、次回の「その場でできる心身評価~1秒でできる体力評価~」で紹介いたします。お楽しみに!


プロフィール
医療法人SEISEN 専務理事、清泉クリニック整形外科スポーツ医学センター 施設長
日本体操協会 アンチドーピング委員会 常任委員、日本クレー射撃協会JOCトレーニングドクター、女子体操競技JOCトレーニングドクター、新体操医科学サポート委員、JOCトレーナー、他
主な著書:『スポーツ選手のための心身調律プログラム』(大修館書店)、他数
近年の国際A級大会サポート活動:2000'シドニーオリンピック、2001'世界水泳福岡2000、2001'ユニバシアード世界大会、2002'パンパシフィック水泳、2003'ユニバシアード世界大会、他多数
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