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5. 憩いの広場「体力を科学する」

第5回 その場でできる心身評価
~「ストレス」「筋力」「柔軟性」「体のサビ」に対する対処法①~

<監修>
清泉クリニック整形外科 スポーツ医学センター
施設長 脇元 幸一


 パソコンに向かってデスクワークしているみなさん、肩こり・腰痛・頭痛などに悩まされていませんか?前回までは心身の疲労や体力、体のサビ度といった体の表面・内面についてお話ししてきましたが、第5回となる今回からは、いよいよそれらに対する対処法を数回にわたってお話します。キーワードは「食う」「寝る」「遊ぶ」。今回は「食う」という食事についてご案内していきます。

 現代において、老化や発ガンの原因、また痛みの原因として注目されているのが、「身体の酸化」です。これには「活性酸素」と言われる非常に酸性の強い物質が関与しています。この活性酸素は日常の生活の中で常に体内でつくり続けられていますが、体内にはそれを処理する抗酸化酵素(能力)たちが存在しています。そのため、通常、身体は酸化しません。ですが、その抗酸化酵素による処理能力を、大きく上回る程の活性酸素が作られる生活習慣だと、ストレスの除去、筋力が出やすい筋内環境、柔軟性がでやすい筋内環境、体内のサビ除去といったものが整備されなくなってしまいます。

それは現代の欧米化された食事です。

 現代の欧米化された食事は、牛乳や肉を中心とした動物性たんぱく質が中心であり、酸化しやすい油を使った食事が多くなっています。動物性のたんぱく質は腸の長い日本人では腸の中で腐敗して、活性酸素を発生させ、酸化した油はそれだけで十分に体を酸化させていきます。食事の欧米化は日本人の食を悪化させています。しかし、現代の欧米人はこれらの食事の害が減少傾向にあるようです。それは、欧米人たちは食事の重要性に気づき、なんと古来からの日本食を取り入れるようになったためだと言われています。

 古来からの食事は、そのままの米や野菜、漬物などの発酵食品を中心としていました。日本人がその食事が合わないはずがありません。これらの食事は腸内で腐敗する前に排出されるため活性酸素を生まず、且つ、体内で活性酸素を処理し、体を生き生きさせるに有り余るほどの抗酸化酵素を含んでいます。結果として、ストレス物質が除去されやすい体の環境が出来上がるわけです。

以下に理想的な食事をとるタイミングとレシピの例をご案内いたします。

上の絵で示したように、体内には食事を摂取する重要なタイミング(腸内時間)というものがあります。

AM4時~正午:腸の休息時間
  • 皆さんに休みが必要なように、腸にも休みが必要です。この時間に腸内に強い刺激を与えると腸は休むことができず、うまく消化ができません。果物や野菜といったやさしいものを食事することを薦めます。
正午~PM8時:摂取と消化の時間
  • この時間は腸がしっかりと働いて消化を行うことができる時間です。世間一般にいわれる食事とは、この時間に摂取することが望ましいといわれています。
PM8時~AM4時:吸収とエネルギー変換の時間
  • 摂取して消化した食べ物から栄養素を吸収して翌日に必要なエネルギーへ変える作業をおこなっています。この時間帯に食事を摂取するとエネルギー変換という重要な作業を行っているのに消化の仕事もしなければならないため、非常に作業効率が落ちます。さらには、朝方の休息の時間に休息できないとなると腸は休む暇がなくなってしまうのです。
<レシピ:例>

朝食:果物のみ

昼食:サラダ,おにぎり,お漬物等

夕食:8割サラダ,2割好きな物

 レシピはあくまでも一例ですが、このような食事を腸内時間に合わせて摂取することで、よりよい体の環境ができあがるわけです。
皆さんも仕事をしていて、良い環境と劣悪な環境ではどちらが仕事しやすいですか?
もちろん良い環境が働きやすいに決まっています。体を動かす、痛みやストレスのない体をつくるには、まずは環境整備から行わなければなりません。
体の筋肉の細胞は約3週程度で全て入れ替わります。(肝臓などは約3ヶ月ですが)この食事と腸内時間を意識して実践してみると3週ぐらいで体の変化が体感できますよ♪

第5回となる今回は、「ストレス」「筋力」「柔軟性」「体のサビ」に対する対処法①として「食う」「食事」についてご案内してきました。次回は、「ストレス」「筋力」「柔軟性」「体のサビ」対処法②として「寝る」「睡眠」について紹介いたしますのでお楽しみに!!

(文責:清泉クリニック整形外科 スポーツ医学センター 理学診療部  嵩下 敏文)

プロフィール
脇元 幸一(わきもと こういち)
医療法人SEISEN 専務理事、清泉クリニック整形外科スポーツ医学センター 施設長
日本体操協会 アンチドーピング委員会 常任委員、日本クレー射撃協会JOCトレーニングドクター、女子体操競技JOCトレーニングドクター、新体操医科学サポート委員、JOCトレーナー、他
主な著書:『スポーツ選手のための心身調律プログラム』(大修館書店)、他数
近年の国際A級大会サポート活動:2000年シドニーオリンピック、2001年世界水泳福岡2000、2001年ユニバシアード世界大会、2002年パンパシフィック水泳、2003年ユニバシアード世界大会、他多数
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