AJS株式会社 技術企画部
諸 葉子
2010年を迎えました。
年始にこれから先の目標を立てた方もいらっしゃるのではないでしょうか。本掲載が2月ですので、約1~2カ月、継続できている!と胸を張って言えると嬉しいですね。
今回は、前回のフレームワークをもう少し詳細に把握し、やりがいを継続するための方法をみなさんと考えていきたいと思います。
前回はこちらから⇒ Vol.7 2009年8月号 5. 憩いの広場「目標とやりがい」
1.やりがいのサイクル フレームワークの中身とは?
(図1 幸せな未来へ向かうやりがいのサイクル)
ポジティブイノベーションセンターPPAL(諸 発表資料より)
前回、この図をご紹介しました。この図は、「やりがい」「やる気」について、「①目標」「②行動」「③評価」「④満足・達成感」「⑤渇望」の5つのフレームワークを当てはめて定義してみたものです。
まず、このフレームワークの1つ1つがどのようにやりがいにつながっているのかを押さえたいと思います。
目標は、「幸せな未来へのイメージ」につながっていることを自ら意味づけできていることが大切です。
私の場合の例ですが、取り組んだ資格試験は、私にとって、合格することで自分の自信につながり、世界が広がり、世の中を自分の足で立っている自分になれるような、そんな幸せな未来へのイメージでいっぱいです。試験勉強の継続は、頭の中も体も生活もぐちゃぐちゃになるくらい大変(ものを忘れることが重なり、本気で脳神経外科へ行きました)でしたが、「幸せな未来」があることを確信しているからこそ、継続できていました。
自身の「価値感」に意味づけされている「目標」は、当人の中では当たり前のように継続されていくものになります。
大切なことは、「○○の資格を取る」、「売上・年収を○○円上げる」という目標を設定するときに、それを達成することが自分の「幸せな未来へのイメージ」にどのようにつながるのか、意味づけ、自分の価値感とのつながりを明確にするということです。
「幸せな未来へのイメージ」に結びつかない目標であっても、仕事であれば取り組む、という場合は多いでしょう。ただ、「幸せな未来へのイメージ」と目標が結びついたとき、自ら「やりたい」という気持ちが生まれ、周囲の人達が考える以上の行動や成果に結びつき、想定以上の結果となる可能性が大きいのではないでしょうか。
さて、目標が意味づけされ、ぶれることがないとは言っても、「行動」と「評価」自体が継続できる仕掛けにしておくことも大切なポイントです。「やる気」「やりがい」を感じるために必要なポイントを4つ挙げてみました。
①やることが見えている
やることがわからない。
その場合、みなさんはどのように解決していきますか?
「何をすればいいのかわからない」という状況は、取り組みへの不安を招きます。
私の場合ですが、試験勉強の中で、各科目の勉強の仕方が異なり、どのように進めればいいのかがわかりませんでした。先生のアドバイスがもらえるのが学校の強みだと思いますが、先生や仲間の意見を参考にすることで、具体的な活動に落とし込みができました。
自分だけでは進め方が見つからない場合は、経験者や仲間に助けを求めるのも大事です。
②自分でコントロールできている
心理学者エドワード・デシは、「人は、自ら選択することによって自分自身の行為の根拠を十分に意味づけることができ、納得して活動に取り組むことができる。」と説き、それを『自己決定』と述べています。
目標に対して取り組む手段はいろいろあるかもしれません。その手段を他人に指図されるのではなく、自ら選択して取り組むことが「やる気」「やりがい」を継続するために必要です。
③知的好奇心が沸く
動機づけ理論として、心理学者ブルーナーは、「知的好奇心」の重要性を指摘しています。新しいことや珍しいものにおもしろさを感じ、探求しようとする知的好奇心を感じるとき、人は内発的に動機づけられます。すでに知っているものの繰り返しは、「やる気」を起こさせるものではないのです。頭の中の空白「知らない」を「知る」に変えていく、その発見が「やる気」「やりがい」を生み出していきます。
もちろん、私自身は、勉強の中で毎日新しい知識を身に付けていけることを喜びにしていました。
「知らない」ことを「知る」にしていく、さらに「できる」にしていくことに喜びを感じるのは人間が根本的に持ち合わせているものです。
「評価」という言葉自体はあまり良い響きではないかもしれません。しかし、「行動」の中で取り組んできたことが自分の成長につながったのか、目標に近づいているのかの確認は、次のステップを決めていく上でも大切なものです。「評価」自体の行為を「やる気」「やりがい」とする為には、楽しくできること!が大きなポイントです。
心がけることとしては、
- 「行動」は細かい単位で「評価」をして、手戻りを小さくする
- NGだった場合、自分や周りを責めるのではなく、「次はどうすればいいんだろう?」の視点で考える。
などです。他にも考えられる方は、加えてみてください。
これらは、上記①~③と異なり、そのときの人の感情です。結果がOKとなったとき、「満足・達成感」が得られます。目標を達成し、「満足・達成感」を得た後、「やりがい」のサイクルに戻りたいと思ったとき、「渇望」が生まれ、再びやりがいのサイクルに入っていくのではないでしょうか?
あなただったら、どのように考えますか?
やりがいのサイクルに戻る他の見方がありましたら、ぜひ、共有させてください。
2.やりがいが継続するために
「計画まで作ったのに続けられない」
という経験をお持ちですか?
何故、継続できないのでしょうか。
継続できない、それはフレームワークで考えたとき、どのように考えられるでしょう か。
これまで順に読み進めてこられた方はもうお気づきですね。
あなたの継続できないことについて、なぜだかを確認してみましょう。
何か当てはまるものがありませんか?
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2009年8月号と今回の2月号と2回にわたり、「やりがい」について考えてみました。
最近よく耳にするのが、「自らなりたい姿を考え、目標を自ら設定できる人が少ない。」ということです。でも、それは、自分のなりたい姿や目標を設定することの経験がないだけで、これからどんどん経験を積んでいけばいいだけと考えています。
私は偶然にも、会社の仲間と自らのなりたい未来の姿を語る場を持っています。仲間と場を持つことで、自らの未来を考え、そのためにお互いにどのように応援できるのかを考え、自分のやりがいについて考え続ける毎日を送らせてもらっています。
ぜひ、読者のみなさんも、幸せと思う未来のイメージを描き、そこに向かっていることを実感した幸せな毎日を過ごしてほしいと願っています!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。