(1)『ソフトウェア品質保証部長の会』 活動状況の報告
日科技連SQiP事務局
執筆協力:孫福 和彦
(株式会社日立システムアンドサービス)
■活動の背景
近年、ソフトウェアに起因する品質事故が増えており、ソフトウェア品質保証部門の担う役割はどんどん大きくなっています。それに伴い、ソフトウェア品質保証部門の行うべき活動は多岐に亘っていますが、様々な状況のプロジェクトに対し「最適な品質保証活動はどうあるべきか?」、日々悩みを抱えているのが実状です。 そこで、2009年11月よりソフトウェア品質部長の会を発足し、ソフトウェア品質保証部門の部門長によるセミナーやグループディスカッションを通じ、品質保証のあり方や事例の作成、開発現場への普及を推進しています。今回はこれまでの活動状況と今後の予定などをご紹介します。
■活動の目的
ソフトウェア品質保証における現場での悩みや意見交換、品質保証の実践的なノウハウなどの議論を通して、品質管理手法や具体的に適用する際の助けとなる事例を蓄積する。
■これまでの活動内容
昨年11月より、ソフトウェア関連の品質保証部長、総勢21名が月に一度集まり、ソフトウェア品質について熱く語り合っています。ひと口に“品質保証”と言っても、その活動内容は各社さまざまであり、一堂に会することで、現場での悩みや意見交換、品質保証の実践的なアプローチなど、会社の壁を越えた活発な意見交換が行われています。
現在は8月末に開催されるSQiPシンポジウムでの発表に向け、みなさん忙しい中、資料作成が大詰めを迎えているところです。
これまでの活動状況は以下の通りです。
◆第1回(11/17(木)) キックオフと問題提起(講師:西 康晴氏(電気通信大学))
◆第2回(12/17(木)) メトリクスに関する講演とディスカッション(講師:野中 誠氏(東洋大学))
◆第3回(2/4(木)) 品質の考え方に関する講演とディスカッション(講師:飯塚 悦功氏(東京大学))
◆第4回(3/4(木)) 原因分析に関する講演とディスカッション((講師:金子龍三氏((株)プロセスネットワーク))
◆第5回(4/13(火)) 品質保証全体像に関する講演とディスカッション(講師:保田 勝通氏(つくば国際大学))
◆第6回(6/8(火)) グループディスカッション
◆第7回(7/6(火)) グループディスカッション
■今後の活動予定
活動の成果をまとめ、セミナー等で発表し、順次情報発信していく予定です。
・ソフトウェア品質シンポジウム2010(SQiP2010) (開催日:2010年8月27日(金))
=>これまでの活動内容をまとめて発表します。
・発表会 (開催日:2010年11月29日(月))
=>シンポジウムの後、内容の補足や次年度への計画など、さらに充実をはかって発表します。次年度の参加者への引き継ぎが中心となりますが、一般参加も募集しますのでよろしくお願いします。
【発表の概要】
ソフトウェア品質シンポジウム2010(SQiP2010)での発表概要は以下の通りです。
テーマ別に3つのグループに分け、ディスカッションした内容をまとめて発表します。
■グループ1
テーマ 「SQiPソフトウェア品質保証実態アンケート2010(プレ調査版)」
「SQiPソフトウェア品質保証部長の会」から、国内企業におけるソフトウェア品質保証活動の実態と、その傾向のアンケート調査結果を紹介します。アンケートでは、品質保証組織の体制、役割、活動内容、定量的管理への取組み状況などを調査しました。シンポジウムでは、部長の会参加企業を対象としてプレ調査版としての調査結果を紹介します。皆様の品質保証活動を企画・推進するにあたって役立つ情報となれば幸いです。
■グループ2
テーマ 「各社の品証部長が語るソフト品質保証の取り組み」
近年、ソフトウェアの品質の重要性がますます高まってきています。品質に関する会社の中核組織である品証部門の長が集まった「ソフトウェア品証部長の会」では、高品質のソフトウェアを出荷/提供するための取り組みについて議論しました。本シンポジウムでは品質保証に関する開発工程毎の取り組みの傾向や、特徴のある活動について紹介することで参加された皆様の、品質向上の取り組みの一助としていただきたいと考えています。
■グループ3
テーマ 「品質保証部最前線~オジサンたちも悩んでいる~」