2010年度(第26年度)ソフトウェア品質管理研究会の報告
鷲崎 弘宜(早稲田大学 / 国立情報学研究所)
執筆協力:阪本 太志(東芝デジタルメディアエンジニアリング(株))
■おわりに
2010年度の参加者からは1年間の活動を通じて、特別講義について「実例を用いており分かり易く社内でも広めたい」「別業種の話を聞けて有益であり自社の品質管理を考えなおす必要を感じた」といった感想、分科会・コースの活動について「グループワークの中で自ら考え、かつ他者の意見を聞くこともでき良かった」「皆似た課題を抱えていることを知り交流・情報交換できた」「現場で使える内容が多く有意義」「今後も積極的に参加し成果が上がるようにしたい」といった感想が数多く寄せられています。ソフトウェア品質について基礎理論を習得し、第一線のエキスパートから助言を得て、同じフィールドで悩む仲間と多様な事例や視点を共有しつつ共に考え抜き、問題や解決の本質を見極める場として機能したと評価しています。
2011年度は秋山浩一新委員長のもとで、特別講義を含む様々な機会を通じた理論習得と事例接触、主査・副主査の丁寧な指導、小規模な分科会単位での密な議論と気づきの共有を通じて、考えて実践する1年間をご提供します。分科会・コースの構成として、参加者の要求や社会要請の変化に応えるべく、新たに形式手法の演習コースを設けるなど充実を図っています。ソフトウェア品質にお悩みの方、さらなる高みを追求したい方、組織へと戦略的に展開したい方、まったく初めてという方、ぜひご参加ください。
また、研究会の活動紹介、および、ソフトウェア品質における最先端の技術動向解説や人材育成に関する提言を兼ねて、2010年度の優れた研究成果事例の解説や指導陣の講演・パネル討論からなるSQiPミニシンポジウムを2011年3月に初めて開催予定です[5]。こちらもぜひ合わせてご参加ください。
謝辞 研究員(参加者)、各分科会・コースの主査、副主査、アドバイザ、特別講義の講師、各分科会・コース内の講師、SQiPシンポジウム委員会、SQiPステアリング委員会、ならびに、SQiP研究会の事務局各位の熱心かつ的確なご参画・運営に感謝します。
参考文献
[1] 第29回SQiPシンポジウム(ソフトウェア品質シンポジウム)2010, http://www.juse.or.jp/software/173/
[2] 2010年度ソフトウェア品質管理研究会 特別講義, http://www.juse.or.jp/software/205/
[3] ISO/IEC/JTC1/SC7: ISO/IEC TR 19759:2005, Software Engineering - Guide to the Software Engineering Body of Knowledge (SWEBOK), ANSI , 2007. (最新版はhttp://www.swebok.org/ より取得可能)
(邦訳)松本吉弘 監訳, ソフトウェアエンジニアリング基礎知識体系―SWEBOK 2004―, オーム社, 2005.
[4] ソフトウェア品質管理研究会, http://www.juse.or.jp/software/study.html
[5] SQiP研究会ミニシンポジウム: 特別企画!~これからのソフトウェア品質技術者の育成~, http://www.juse.or.jp/software/301/