-ともに成長する「場」に- WACATEのススメ。
WACATE実行委員会
安達 賢二、井芹 洋輝、小山 竜治、山﨑 崇
2.運営側の思い
WACATEは参加者と実行委員、講師、サポーターの皆様、たくさんの良き先輩方達の手厚い協力と支援で成り立っています。皆様のご協力・ご支援に感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます。
2.1.運営の工夫
WACATEは参加者だけでなく、実行委員、講師役など関係する全員が、それぞれの立場で学ぶ「場」とするために様々な工夫をしています。
■参加者(若手)
WACATEは”大規模勉強会”です。セミナーではありません。
参加費は2万円以上、開催は土日です。そして参加者には前もって参考書籍を読んでいただくなどの予習を求めています。これには、以下の効果があります。
・覚悟を決めてもらう
・参加した効果を高める
こういったものは「自己を啓発する」という行為そのものです。
WACATEは”参加者である若手が主体的に勉強をする「場」”なのです。
また、ワークショップ当日はそれぞれ地域、経験、考え方等が異なる参加者を5名程度のチームとして、同じ題材・目標を共有してワークショップのゴールを目指して取り組んでもらいます。
異なる意見や考え方を調整して課題を進める過程で、チームワークや新しい考え方、ノウハウを学びつつ、新しい”人的ネットワーク”を形成するきっかけを獲得します。
当日、参加者(若手)は以下のものなどを持ち帰ることができます。
• 意識の高いベテランの皆さんからの貴重なアドバイスや豊富な知識
• 講師陣からの情報
• 同世代の人間の中での自分の立ち位置

図1.立ちあがって議論をする参加者の皆さん
■参加者(ベテラン)
ベテランの参加者も毎回10名ほどいらっしゃいます。ワークショップではベテランの皆さんもベテランとしての立場で学びます。そこでは異なる経験を持った若手技術者達とのディスカッションによって自らの経験を言葉として表現し、伝える必要があります。そうすることで自らのノウハウを再定義、再整理をでき、それは理解を深めることに繋がります。また、若手技術者に任せ、ミスリードをしないようにアドバイスをすることで、勢いのある技術者を動かすことを学びます。
ベテランは以下のものを持ち帰ることができます。
• 教育/指導のためのヒント
• 若手が悩んでいること/悩みやすいこと
• 世の中の若手はどのようなものか
• 自分に足りないものは何か

図2.参加者(ベテランと若手)による積極的な議論の様子
■実行委員
実行委員は”若手が主体的になるための教育や運営”について考え、実運用を行う過程で、テーマ・題材の内容を深く理解するとともに、「主体的に勉強をできる仕組み」を学んでいます。
本コラムのテーマは「人材育成」ですが、実はWACATE実行委員会は積極的に人材育成を行っているわけではなく、人材が自ら育つ「場」を企画し、提供しているにすぎません。
休日返上で打ち合わせやコンテンツ作成にあたり、ときに素晴らしい先輩方から貴重なアドバイスを得ながら「場」を作り上げる――それはとても貴重な経験であり、とても有用な勉強になります。一流の先輩方との交流、対話は素晴らしい経験です。
実行委員は以下のものを持ち帰ることができます。
• 看板を背負い、責任を持って仕事にあたる経験
• 2万円以上という大金に見合ったコンテンツを作り上げる経験
• すばらしい先輩方との交流や貴重なアドバイス
• 自らのモチベーションアップのきっかけ
2.2.WACATEの目指す場所
この「地球儀」は、実行委員たちが選んだ「WACATEの行く先」を示しています。
「若手技術者がWACATEを経て世界へ羽ばたいて欲しい。」
そんな起点となる場所になれたら素敵だな、と運営側は望んでいるのです。
ほんの少しの勇気を持って敷居を跨いだその先には、きっと世界が待っています。