-ともに成長する「場」に- WACATEのススメ。
WACATE実行委員会
安達 賢二、井芹 洋輝、小山 竜治、山﨑 崇
3. 参加者の思い
3.1. 参加者からみたWACATEの特徴
参加者視点として、特に目立つWACATEの特徴にコミュニケーションの活発さが挙げられます。
例えばWACATEではセッションの多くがグループワーク形式となっているほか、分科会という、参加者・運営者・講師が入り混じって好きなように語り合うセッションが毎回用意されています。またセッション外では、ビール片手に話す機会、温泉につかりながら話す機会等が定番として確保されます。そして年2回のワークショップ外でも、WACATE-SNSや、ミニイベント(Short Short)といった学習・交流の手段が公式として提供されています。
一方、これら豊富なコミュニケーションの場の上に、参加者も合宿勉強会に参加するぐらいモチベーションの高い方々が集まってくるので、WACATEではセッション内外でテスト談義や技術者交流がかなり活発に行われるようになってきます。
3.2. WACATEの魅力
この活発なコミュニケーションは、ワークショップという枠を超えた「学習の場の広がり」や「学びの深まり」という、WACATEならではの魅力につながっていると感じます。
まずワークショップでは、チームメンバー間で議論を深めたり、エキスパートによるインタラクティブなアドバイス・支援を受けたりできる環境のおかげで、良い相乗効果か実現され、学習効果がより深まるようになっています。
また、ワークショップ後は、WACATEのイベントやSNSをハブにして、様々な勉強・交流の機会が派生し、ワークショップを超えた学習の場が次々に拡大しています。最近ではWACATEのワークショップに付随して、前夜祭、後夜祭、予習会、復習会といった関連イベントが開催され、WACATE参加メンバーが中心となった勉強会や読書会も結成されています。
3.3. WACATEが築いた「場」と「流れ」
こうした学習の場の広がり、学びの深まりがある点で、WACATEで得られる学習効果は、他では得がたい高さを持っていると実感しています。
私自身、参加者・講師の方とのコミュニケーションや指導で形成された「場」を通して、テストへの理解は当然ながら、貴重な気づきやテスト観(例えば体系的な知識や、座学では中々得られない実践上のノウハウ等)を得ることができました。またソフトウェアテストについての勉強仲間や継続的な学習機会も得ることができ、自分の知識・視野の穴を補完しつつ、継続的に勉強を進める良い流れに身をおけるようになっています。
さらにWACATEでは場の広がりの中で大小様々な場や機会が生まれているため、「(WACATEが構築した)場に依存する者」から「場を構成する者」となり、そして「場を支える者」にもなるというステップアップの流れが形成されていると感じています。私自身、WACATEが生み出している流れに乗っかる形で活動の幅を広げ、今では実行委員としてWACATEに参加するまでになりました。
振り返ってみると、元々狭い領域での業務改善に興味を持って参加したWACATEでしたが、WACATEを通して得ているものは、その当初の目的以上の広さ・深さをもつものでした。これからもそうした魅力的な場を構成する一員として、WACATEに関わっていきたいと考えています。
4.運営と参加者の思いが交わる場所
運営側の思い、参加者側の思い。それらはふとしたところに現れます。
「ディスカッションのときに腕組みをやめて他人の意見を傾聴しているとき」
「ディスカッションのときに自分の意見を曲げて他人の意見を受け入れたとき」
「ディナーセッションのときに隣の人と酒を飲みながらテストの話をするとき」
「分科会で真面目に、けれども笑顔で語り合っているとき」
「集合写真で笑顔のままポージングをするとき」
「終了後も宴会や勉強会で交流をするとき」
これらは全て、運営側の思いと参加者側の思いが交錯するときに見せるキラキラした瞬間です。成長をした瞬間であり、成長をしているシグナルでもあります。
インターネット上に参加者からのレポートも沢山上がっています。
是非、ご覧ください。きっと彼らが「自分で自分を育成している様子」を感じることができるはずです。
またそうした思いの交わりは、WACATEという大規模勉強会の枠を超えて拡大しています。
最近ではWACATE参加者が中心となって、ワークショップ形式を取る勉強会が続々と実施されるようになりました。そこではまた運営者、参加者(ベテランと若手)が協力しながら、WACATEさながらに学びの場が今もなお整備されています。
WACATEは主体的に学ぶ心構えを持つ人達が様々な立場でコミュニケーション豊かな場に集まり、係わり合いを通してさらに加速しています。その楽しさは、他ではなかなか味わえないものです。