『ソフトウェア品質保証部長の会』 活動状況の報告
日科技連SQiP事務局
執筆協力:江口 達夫
(アヴァシス株式会社)
はじめに
「ソフトウェア品質保証部長の会」も2年目に入り、今期(2期)の活動が終盤にさしかかっています。あっと言う間の一年でしたが、セミナーやグループディスカッションを通じ、さまざまな悩みや課題、改善施策等について、会社の枠を越えて議論してきました。また、独自のメーリングリストも活用し、メールでの情報交換も定着してきました。今回は参加者側の立場から、この1年の活動状況と今後の予定などをご紹介します。
本年の活動内容
本年は、総勢36名のメンバ(初年度から参加16名、本年度から参加15名、メーリングリスト参加5名)で活動開始しました。最初のキックオフの時に、西先生から「ライバル企業でも、こと品質についてだけは必ず本音で語り合える!」というお話がありました。初めは「他社の情報は欲しいけど、なかなか自社の情報は出せないし、本音も言えないなぁ‥」と思っていましたが、いざ議論してみると、少し広い視点からいろいろな情報交換をしたり有意義な議論ができ、また自分の職場にもフィードバックできることが判りました。また、はじめは意識も「自社の品質の向上」だったものが「日本のソフトウェア品質の向 上」となってきて、これまであまり経験したことのないモチベーションを感じられるようになりました。部長の会からの帰りは体にアドレナリンが大量に分泌され、気持ちがいつも高揚している状態です。
会の活動内容についても昨年に比較し、さらに豪華になった講師陣による講演も10回を数えました(昨年度は6回)。さらに今年度は泊まり込んでの合宿も実施され、充実した環境の中でメンバは時間を気にせずソフトウェア品質について知力を高め、熱く語り合うことができました。
本年のこれまでの活動状況は以下の通りです。
【講演会】
【グループディスカッション】
本年度も会の中で3つのグループに分かれ、それぞれ以下のテーマで考察/議論を深めました。この活動によって、各メンバの結びつきが強まり、個別に連絡を取り合ったり会ったりしている人もいるようです。
グループ1:ソフトウェア品質保証実態アンケート2011 品質保証プロセス進化論
~品質保証部長が考える、ここがポイント~
グループ1は品質保証活動の「プロセス」に着目、現在各社が注力しているプロセス、課題を認識しているプロセスを調査しました。その調査結果を元に、品質保証プロセスの成熟度を分類し進化の過程を整理し、また各成熟度レベルごとに品質保証活動を深化させるにはどうすべきか、を議論しました。
グループ2:やっぱ上流から
~要件定義の失敗に学ぶ 品質保証への取り組み~
要件定義書の品質は、その後の工程と最終製品のQCDに多大な影響を与えます。高品質な要件定義書を作るためには、高品質な要求分析が必要ですが、現場では日々問題に直面し、品質の高い要件定義を実施するため四苦八苦しているのが現状です。グループ2では我々現場の立場から要件定義の課題・対応策を検討しました。
グループ3:品質保証部門最前線
~ オジサンたちも悩んでいる~
グループ3は高品質を目指して活動している各社が常日頃、抱える「悩み」を洗い出し、「悩み」に対する解決アプローチは何かないのか?といったことを議論してきました。
【ソフトウェア品質シンポジウム2011発表!】
上記のテーマで検討した内容を、本年度も「ソフトウェア品質シンポジウム2011」で発表しました。発表にあたり、事前リハーサルを重ねたグループもあり、ぶっつけ本番に近いグループもあり、しかし終わってみればさすが部長達、余裕しゃくしゃく(顔だけというウワサもありましたが..)で発表は成功裏に終了しました。同じ時間帯に開催された全セッションの中で、一番人が多く集まったといううれしいおまけもつきました。また、新たな課題も見えてきており、来年度の活動へつなげる流れもできてきました。
発表した内容はこちら
今後の活動
・発表会 (開催日:2011年11月29日(火))
シンポジウムの後、内容の補足や次年度への計画など、さらに充実をはかって(単独)発表します。
シンポジウム発表からの 「その後」がいろいろ出てくるはず...。
次年度の会員募集
本活動は、毎年11月を起点に1年サイクルで活動しており、次年度の参加募集は10月から行っています。より多くのソフトウェア品質保証部長の方々とネットワークを作り、活発な議論を推進していきたいと思いますので参加をお待ちしています。。目指すは「日本のソフトウェア品質の向上」です!
【参加者のメリット】
以上