感情っていいものです♪
EQグローバルアライアンス
エグゼクティブマスター
髙山 直
「職場に感情を持ち込むな!」「好き嫌いで仕事をするんじゃない!」「感情的になるな!」こんな言葉をよく耳にします。みなさんは、感情は悪いものだと思っていませんか。
確かに感情は悪く使うと、やっかいで面倒なものですが、実は、上手く使うと良いこともたくさんあります。その感情を上手く使う能力こそが「EQ」なのです。
「EQ」は、誰もが保有し、身近で使っている能力です。そして、最大の魅力は開発が可能なことです。今回、皆さまには、EQの理解から開発方法までを、ご紹介をさせていただきますので、ぜひEQを楽しんでいただければ幸いです。
【EQとは】
仕事が佳境に入り,脇目もふらずに書類を作成している部下に,「君と同期のSEがプロジェクトでヘマをやったんだって?何があったの?ちょっと教えてよ」としつこく尋ねてくる上司。
オフィスの静寂を破って,「プロジェクト・マネジャーの理不尽な命令には,もう我慢できん!このメール見てくれよ。お前もそう思うだろ。こんな会社やめたくなるよ」と,一方的にまくしたてる同僚。
2時間にわたって,顧客からの強烈なクレームへの電話対応を終えたばかりの上司に,間髪をおかず「トラブルのご報告が…」と相談をもちかける部下。
みなさんも、こんな光景を見たり、体験したことはないでしょうか。
相手の気持ちや、自分の感情が理解できないために,自分の感情をコントロールできずに怒りに翻弄されたり、感情の使い方で失敗をした経験はないでしょうか。
そんなときに役立つ能力が、EQ(Emotional intelligence Quotient)です。
EQとは,「感情を上手く使う能力」として、米国エール大学のピーター・サロヴェイ博士と米ニューハンプシャー大学のジョン・メイヤー博士が,1990年に論文「Emotional Intelligence」で発表しました。
私たちの行動の根底には感情があります。悲しいときには涙が出ますし、嬉しいときには笑います。その感情を上手く使うと、悲しい気持ちを楽しいに変えたり、やる気が出ないときでも、必要であれば、やる気をつくることもできます
【EQは人のOSです】
EQとIQどっちが必要ですか?このような質問をよくいただきます。EQ理論の調査結果では「ビジネスの成功は20%のIQと80%のEQである」と書かれていました。これを読んでの私の理解です。方程式を正確に解く人よりも人の気持ちがわかる人のほうが成功をしていたのです。私は「IQ=考える能力」、「EQ=感じる能力」と整理をしていたので、方程式を正確に解く人より、人の気持ちを感じる人(わかる人)のほうが成功しているという調査結果は、私にとって大変嬉しいものでした。
この結果で、私の社会人(=ビジネス)経験を通じての一つの疑問が一気に解けた気がしました。「学歴(高偏差値)=優秀な人材ではなく、学歴に関係なく、やる気や情熱、志をもっている人が成功する」まさに、私の求めている結果だったからです。
では、最初の質問に戻ります。EQとIQどっちが必要か?成功要因として、IQよりEQが高いことは証明されましたが、それは、どちらかではなく両方とも正解という回答です。
私は、この二つの能力は対比する関係ではなく、パソコンに例えるとOSとアプリケーションの関係ではないかと思います。
突然ですが、みなさんは「頭は良いけど嫌な人」「優秀だけど一緒に働きたくない人」に、会ったことはないでしょうか。
知識やスキル、経験や仕組みというアプリケーションは優れているのですが、OSが正しく機能せず、アプリケーションが動かない、あるいは間違って機能した人たちのことです。人の気持ちのわからない知識は、鼻につくので嫌な人と言われます。人の気持ちのわからないスキルは怖い武器になり、そんな人とは一緒に働きたくない、と言われます。
素晴らしい経験も美しい仕組みも、人の気持ちがわからなければ、ただの自慢話であり、絵に描いた餅と同じで、機能しないのではないでしょうか。
今、私たちは「人の気持ちがわかって使う知識やスキルが求められている」と思います。