ポジティブアプローチ
ポジティブ心理学をベースにしたイキイキした職場作りと生産性の向上の手法
一般社団法人ポジティブイノベーションセンター
代表理事 渡辺 誠
3.ポジティブアプローチとは
今までの、「何ができていないのだ。」「なぜ、できないんだ」という問題志向の考え方を変えたらどうなるでしょう?
「ゴールはどのようにしたら達成できるのだろうか?」という発想に変えて見てください。当たりまえのことを言っているようですが、ありたい姿を明確に描き、それを達成することを目標におき、マネジメントをすると、その結果には大きな違いが現れます。
それを実現するのが、ポジティブアプローチです。図1をご覧下さい。これがポジティブアプローチの概要です。
図―1 ポジティブアプローチ
ポジティブアプローチでは以下の事を考えます。
Step0 強み
まずは、仕事をチームで実施する際に「強み」をベースに役割を検討します。「強み」を活用できる役割をアサインすることにより、メンバーの継続的なやる気を高め、高い生産性を確保します。これは、仕事が始まるステップに入る前の大切なマネージャーの実施項目です。
その後、目標を達成するために、以下のプロセスを適用していきます。
Step1 ありたい姿(ゴール):
ありたい姿を明確に描き、それを実行する意味をメンバー間で共有します。この時点で、仕事をしている意味にメンバーの共感を得られれば、メンバーのベクトルが合います。この目的に集約されます。
Step2 よいことさがし
「うまくいっていることはなにか?」「なぜうまくいっているのか?」を探求します。うまくいっていることは継続します。そして、このうまくいった事をつくりあげたのには、どんな努力や工夫があるかを探しだし、メンバーの理解と動機付けをします。メンバーがすごい事をしたと思ったら素直に気持ちを伝えてあげるのが、さらに動機付けの効果をもたらします。
Step3 うまくいかないこと
「うまくいかないことはなにか?」を、明確にします。同じ事を繰り返しても違う結果は得られません。「うまくいかないこと」を明確にして、違うことを実施するためのヒントを探します。
Step4 次の手さがし(選択肢)
「うまくいったことを継続するのはどれか?」「うまくいかないことをやめて、何をすればありたい姿につなげられるのか?」を検討します。できれば他のメンバーにも参加してもらい選択肢を検討するとチームがまとまります。
Step5 次ぎの一歩
「具体的なアクションは何をするのか?」を明確にします。次回、(来週か2週間後)に報告してもらうことを約束します。勇気付けて現場に戻ってもらいます。