すべてのソフトウェア開発者におくる:ソフトウェア品質シンポジウム2010
(株)インテック 技術部
藤井 彩乃
クロージングパネル
シンポジウムの最後に行われたのが、クロージングパネルディスカッションです。パネリストは以下の方々です。
テーマ: | 「第4のプロフェッション~ソフトウェア品質技術者~」 |
司会: | 誉田直美氏(日本電気(株)) |
メンバ: | 飯塚悦功氏(東京大学) 名取良弘氏 ((株)麻生 飯塚病院) 榊原彰氏(日本アイ・ビー・エム(株)) |
プロフェッションという言葉は、西欧社会ではもともと聖職者・医師・弁護士の三大職種を指して用いられるそうです。このパネルでは、ソフトウェア品質技術者はこれらの職種と同じく社会に対して重要な役割を担うとして、第4のプロフェッションとなるためにソフトウェア技術者に必要なことは何か、ディスカッションが行われました。プロフェッションの代表として参加された、医師の名取先生のお話は特に興味深かったです。医師という職業にもソフトウェア業界と同じ「人」としても課題があることや、今後ソフトウェア技術者がプロフェッションとなるために必要な仕組みづくりといった業界として取り組むべき課題提起がありました。
表彰
SQiPシンポジウムでは、2つの表彰があります。今年度は下記のお二人が受賞されました。
SQiP Effective Award ― 実践的で、現場で品質向上にすぐに役立つ発表
「設計者自身による設計品質作り込み ― テストエンジニア視点の活かし方 ―」
大立薫 氏(ベックマン・コールター・バイオメディカル(株))
SQiP Future Award ― 将来役に立つ可能性を秘めた発表
「プロセスメトリクス利用によるFault-Proneクラス予測精度の向上」
纐纈伸子氏(日本電気(株))
さいごに
入社以来、毎年SQiPシンポジウムに参加してきましたが、今年度からシンポジウム委員として初めて企画から参加しました。その年が、偶然にもSQiP事業記念の年にあたり、過去から日本のソフトウェア品質に関わってきた方々のお話を振り返りながら伺うことができました。そして「今」を支える発表者の論文を聴き、参加者と議論を交わしました。このシンポジウムが、「今」のソフトウェア開発者のみなさんの現状を少しでも良くしていくための1歩となるよう、来年も企画をしていきたいと思います。みなさん、来年も論文応募、どうぞよろしくお願いいたします!