~ソフトウェア品質の向上とそこに関わるすべての方へ~ Software Quality Profession

5.健康

~いきいき働くために、ストレスと上手に付き合おう~

株式会社プラネット・コンサルティング
代表取締役 根岸 勢津子

◆ストレスと体調の関係

 病気そのものを知る前に、うつ病の原因の一つと言われているストレスについて考えてみましょう。ストレスとは、日常のいたるところに存在し、ある程度のストレスは人のやる気を高めるといわれています。しかし、過度のストレスを受けると、だれでも体調不良や感情面での乱れなどが表れるものです。ホルモンや自律神経の調子が狂い、血圧の上昇、肩こり、食欲不振、気分がふさぐ、生理不順、といったような様々な症状が現れてきます。気分や感情の面でいえば、怒りっぽくなったり、悲しくなったり、無気力になったり、みなさんも多かれ少なかれ体験があるのではないでしょうか。かといって、全てにおいてストレスの原因そのものを全くなくすことは困難です。

 ではどうしたらいいのでしょうか。それは物事の捉え方をプラス思考にすることです。自分を必要以上に過小評価したり、うまくいかないことばかりを想像するのはやめましょう。物の見方は常にふた通りあります。コップに半分だけジュースが入っていたら、あなたはどう考えますか?「もう半分しかない」「あと半分もある」。また、新しいことに取り組んだり、新しい人と知り合ったりするとき、「きっとうまくいく」「うまくいくはずがない」。楽天主義と悲観主義があるならば、楽天的にものをとらえるほうが精神衛生上よいに決まっていますね。このように、ストレスそのものを取り除くことはできなくても、ストレスの衝撃を和らげたりすることは可能なのです。

 危険なのは、自分のストレスに気づかぬまま無理を続けることです。人によってはストレスに気づきにくい体質の人もいます。ときにはセルフチェックテストを受けるなどして、自分の心の調子に敏感になりましょう。

◆楽天主義になるには、普段の生活リズムも大切

 読者の皆さんは意外に思うかもしれませんが、明るくものを考えられるようになるためには、健康的な生活をすることが第一歩と言われています。美味しいと感じるものを、楽しい人たちと一緒に食べ、一生懸命働き、疲れてよく眠る。そして大切なのが休日のリフレッシュです。休日にも仕事のことで頭がいっぱいでは、脳が休む間もありません。休日には、仕事と全く関係ない趣味をしたり、人と会ったりして、心身をリラックスさせてあげましょう。

 また適度な運動も、脳には良い刺激となります。読者の皆さんはデスクワークが多いでしょうから、1時間机に向ったら、伸びをしたり、首をぐるぐる回すなど、座ったままできるストレッチ体操などを心がけてください。そしてランチタイムには、できれば15分間程度の散歩をするとよいでしょう。外の景色を眺めて、脳をリフレッシュさせるのです。そしてまたよい気分で午後の仕事に取り組むようにしましょう。皆さんの周りにも、自分のストレスに気づかずため込んでしまっている人がいるかもしれません。そんな時には声を掛け合って、みんなでストレス解消しましょう。

◆うつ病に関する知識

 それでは、いよいよ病気に関する知識を学びましょう。うつ病とは、いったいどこが悪くなる病気でしょうか。心の病といっても、心という臓器はありません。そうです、うつ病は脳の機能障害なのです。脳は神経伝達物質という電気信号で体の動きや気分・感情を制御していますが、その機能が正常に働かなくなる病気です。また、ストレスがたまりすぎると脳の血流が低下することも最近の研究でわかってきています。気の弱い人がかかる病気とか、もともと怠けものがなる、なんてとんでもない。立派な政治家や経営者、そして芸術家などにも少なくないのです。簡単にいえば脳に疲労がたまった状態で、その人のストレス処理能力を超えたときに、「もう駄目だ!」と脳が信号を出すようなものです。どんなに精神力が強く体が丈夫な人でも、やりがいのない仕事を長時間やらされたり、年がら年中気を使う立場に置かれたりしたら、体か心が悲鳴を上げるでしょう。

 また、大きな環境の変化も病気の引き金になります。仕事上の変化でいえば、転職、転勤、昇進、降格、会社の合併など、私生活でいえば、結婚、離婚、家族との死別、引っ越し、出産、そんなものが引き金になることもあります。だれもがかかるリスクのある病気、それがうつ病なのです。

 次にうつ病の前兆ですが、寝れない(睡眠障害)、食べられない(食欲不振)、何にも興味がわかない、集中力が低下する、疲れやすい、悲しい気分、ふさいだ気分・・・こういう症状が複数あり、それが10日間以上続くようであれば、うつ病の疑いがあります。躊躇せず専門家に診てもらいましょう。早期発見なら外来(通院)だけで治せます。みなさんもご自身のことだけでなく、周囲の人のこれらの前兆にも気をつけましょう。異変に気づいたら、すぐに受診を勧めてあげましょう。

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