~ソフトウェア品質の向上とそこに関わるすべての方へ~ Software Quality Profession

5.健康

~いきいき働くために、ストレスと上手に付き合おう~

株式会社プラネット・コンサルティング
代表取締役 根岸 勢津子

【安心して働ける環境づくりと】

一方、職場づくりもリーダーの大切な仕事ですが、具体的には何に注意したらいいでしょう。それは大きく分けて2つあります。1つはハラスメントに気をつけることです。ハラスメントには、セクシュアル・ハラスメント、パワー・ハラスメント、アルコール・ハラスメントなど様々な種類がありますが、自分がされて嫌なことは人にもしない、という基本的なこが理解できないメンバーもいるかもしれません。一人ひとりの言動に気を配り、行きすぎた行為、発言があればリーダーとして毅然とした態度で注意しましょう。あなたがそれを放置することで職場の士気が下がります。自分で解決できそうにないと感じたら、すぐに会社の人事部門に相談しましょう。

2つめは、部下への仕事の与え方です。つい優秀な人にたくさんの仕事を任せがちになりますが、これは過重労働の原因となりますので、できるだけメンバー全員に均等な業務量となるよう配慮しましょう。それから、メンバーごとに以下の3つの観点から適正な状態かどうかチェックします。

    1.  仕事の量
    2.  裁量度
    3.  周囲からの支援

この3つを合わせて『仕事の質』といいます。仕事の量が余りにも多すぎたり少なすぎたりしては、人は実力を発揮できませんね。また、言われたことばかりやっていては創造性が発揮されず、結果として生産性が低下します。権限の移譲を上手に行って、部下に適正なる裁量度を与えましょう。そして大切なのが周囲からの支援です。あなたがもし、新規プロジェクトを任せられ、わからないことがあるのに頼れる先輩も無く、愚痴を言う仲間もいなかったらどうでしょう。健康な人でも落ち込んでしまいそうですね。3つの観点から、部下一人ひとりの『仕事の質』を常にチェックし、偏りが無いかどうか観察しましょう。

図 1 変更要求仕様書
図 1 変更要求仕様書

ハラスメントを決して許さない職場、仕事の質がよい職場は、メンタルヘルスも向上します。部下の健康管理はリーダーの義務と心得て、日々のマネジメント、頑張って下さいね。応援しています。

プロフィール

根岸 勢津子 (ねぎし せつこ)
株式会社プラネット・コンサルティング 代表取締役

企業や団体の中で『人の役に立つためには』を常に考え、外資系海運会社、IT企業などで秘書の経験を積む。
その後、大手損保代理店に転職したが、法人・団体を守るためには保険販売のみならず、リスクマネジメントの考え方が必要と感じ、アドバイザーの経験を積む。
近年、産業界にヒューマンエラーによる不祥事が続発したことを受け、企業に対するメンタルヘルスケアの体制構築に関するアドバイスに注力して事業を進め、2006年に法人化。
メンタルヘルス対策に取り組む企業からの様々な相談に応じ、コンサルティングを行う。

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