~ソフトウェア品質の向上とそこに関わるすべての方へ~ Software Quality Profession
ソフトウェア品質管理研究会
分科会概要
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参加者・派遣窓口の声 委員・講師の声 派遣企業様 インタビュー記事  

このようなことでお悩みの方には、特におすすめです!!



  • 効果的なプロセス改善方法ってなに?
  • CMM、CMMIに取り組む予定だけど、何から始めればいいのかわからない
  • CMMIの効果的な活用方法は?
  • ISO15504、ISO9001、ISO12207、ISO15288などについて学びたい
等々お悩みの方は
第1分科会
「ソフトウェアプロセス評価・改善」

をおすすめいたします!
     
  • やりがいのあるチーム運営を実現したい
  • 短納期開発を立て続けにあり、メンバーの疲弊を拭えない
  • 組織内でのコミュニケーションがうまくいかない
等々お悩みの方は
第2分科会
「リーダーシップとモチベーション」

をおすすめいたします!
     
  • 自身が抱えているソフトウェア開発のレビューの問題を解決したい!
  • 自社で行っているレビューの質向上を目指したい!
等々お悩みの方は
第3分科会
「ソフトウェアレビュー」

をおすすめいたします!
     
  • エンドユーザが使いやすいシステムって?
  • エンドユーザの要求分析、要求定義はどうしたらよい?
  • ウェブ・ユーザビリティの実践的な方法とは?
等々お悩みの方は
第4分科会
「ユーザエクスペリエンス(UX)」

をおすすめいたします!
     
  • 品質や生産性を向上させる効果的なテストってなに?
  • 効果的なテストを行うことによって、納期短縮やコスト低減をはかりたい
等々お悩みの方は
第5分科会
「ソフトウェアテスト」

をおすすめいたします!
     
  • 自身で抱えている問題の解決のためのアプローチ方法を模索している!
  • 自身で行っている問題解決の方法や課題解決の方法を論文にまとめて発表したい!
等々お悩みの方は
第6分科会
「派生開発」

をおすすめいたします!
     
  • 欠陥分析やバグ情報を蓄積したい
  • 次世代を担う品質技術者を育成したい
等々お悩みの方は
第7分科会
「欠陥エンジニアリング」

をおすすめいたします!
     
  • 実践的なソフトウェア工学手法を学びたい
  • 実践的なソフトウェア工学の基礎知識を学びたい
  • ソフトウェア工学手法の有効性適用場面について学びたい
  • 現状のソフトウェア開発手法を改善したい
等々お悩みの方は
演習コースI
「ソフトウェア工学の基礎」

をおすすめいたします!
     
  • 形式手法の一つであるVDM(Vienna Development Method)を修得したい!
  • 形式仕様記述の基本的考え方、言語、ツールの使い方を学びたい!
  • システム開発の幅広い問題を俯瞰し、解決したい!
等々お悩みの方は
演習コースII
「形式手法と仕様記述」

をおすすめいたします!
     
  • メトリクスの活用方法を習得したい!
  • メトリクスを活用した開発事例を学びたい!
  • メトリクスの活用を通じて次のアクションにつなげたい!
等々お悩みの方は
演習コースIII
「ソフトウェアメトリクス」

をおすすめいたします!
     
  • ソフトウェアの品質について基礎から学びたい!
  • ソフトウェア品質改善、改革を目指している!
  • ソフトウェア品質保証の基礎技術について学びたい!
等々お悩みの方は
特別コース
「ソフトウェア品質保証の基礎」

をおすすめいたします!

第1分科会 ソフトウェアプロセス評価・改善

 
 

: 三浦 邦彦(矢崎総業(株))
副主査 : 山田 淳((株)東芝)
中森 博晃(パナソニック ファクトリーソリューションズ(株))


1. 活動のねらい
品質向上の手段/手法として、ソフトウェア産業の過去の経験より、様々な品質管理方法が提案されています。ただし、これらの品質管理方法が、現状のソフトウェア開発プロセスに的確に組み込まれているかが懸念されます。ソフトウェア品質の改善には、現実を見つめた品質管理方法の選定と開発プロセスへの適切な実装が必要不可欠です。
本分科会では、このような背景を踏まえ、現場に即したメトリクスを活用しソフトウェア品質を客観的に評価することに焦点を当て、品質/プロセス実績の向上を実践的な立場から検討することを目的にしています。
研究テーマの例としては、「プロセス改善モデルの効果的な活用方法」(CMMI、ISO15504(Automotive SPICE))、「プロセス測定の方法」(ISO / IEC9126)及び「安全関連系の機能安全-ソフトウェア要求事項」(IEC61508、ISO26262)等のテーマが考えられます。
参加者の各課題を幾つかのテーマに層別し、グループによる活動を基本としますが、能力成熟度モデルの解説など、分科会のメンバー全員を対象にした説明会なども開催します。


2. 活動の進め方

(1)

メンバーが希望する分野、課題、テーマに応じてサブグループを作る。

(2)

サブグループごとに、メンバーからリーダーを選定し、そのリーダーシップのもと、メンバー主体による運営活動(研究テーマ・目標の決定から研究作業に至るまで)を行う。

(3)

主査・副主査は、基礎的な考え方、手法や方法論、最新情報、事例などを紹介し、研究を進めていくための助言と支援を行う。

3. 各回の活動概要
第1回 (5月)
  - 分科会の主旨・目標の説明
  - メンバーの自己紹介および質疑応答(担当業務、希望する研究テーマ)
  - リーダー選出、グループ化の検討
  - 研究テーマと研究目標についての検討
第2回 (6月)
  - 研究テーマと研究目標についての検討および決定
  - 今後の進行に向けて作業項目の洗い出しと分担の決定
第3回 (7月:合宿)、第4回 (10月)、第5回 (11月)、および(必要に応じて)臨時会
  - 調査研究報告と討論の積み重ねによる共同研究の推進
第6回 (12月)
  - 研究結果のまとめ
  - 報告書の内容構成と執筆分担の決定
第7回 (1月)
  - 研究報告書のレビューと研究発表の準備・練習(PPT作成他)
第8回 (2月)
  - 研究成果発表会

 
 

第2分科会 リーダーシップとモチベーション

 
 

: 早川 勲(アズビル(株))
副主査 : 板倉 稔((株)イネーブルツリー)


1. 活動のねらい
本分科会では、どうすれば、システム開発に携わる人々が「やりがい」を感じながら開発業務に従事できるかを中心に研究します。
近年、ソフトウェア開発者がやりがいを感じる機会が減ってきています。これには下記のような問題に起因していると考えられます。
 ・会社業績の低迷などから、失敗への許容度が低くなり、「やってみなければわからない」ことへの挑戦を組織
  が許さなくなった
 ・先人が残した手順があり、これに従えばよいので、自分で考えなくてもよいと錯覚している
 ・保守開発が増え、新規開発が少なくなり、開発者がやりがいを感じる機会が減っている
 ・少人数の開発チームが増え、組織内でのメンバー間のコミュニケーション範囲が狭くなった
 ・短納期開発案件を立て続けにこなす必要があり、メンバーが疲弊している
これらの問題にはリーダーやメンバーだけで解決できる問題とできない問題があります。解決できない問題は、その条件のもとで、いかにメンバーが「やりがい」を感じられるようにできるかを考えます。
 
2. 参加者
―現場がやりがいを持って働くことで質がよい仕事ができる―
そのために、仕事にやりがいを求める人、やりがいがあるチーム運営を実現したい人、チームの運営に悩みを持っている人。

3. 活動の進め方
初回は、参加者の皆さんが解決したい問題を紹介し合い、メンバー全員が共通に取り組める問題は何かを議論します。その結果で、研究の方向性を仮決めします。
以降、仮決めした方向性に従って、各自が問題事例の詳細を持ち寄り、何が原因かを分析します。この議論の中で、研究テーマを決定します。
その後はテーマにしたがって議論を重ね、研究を仕上げます。Joy of Work、コミュニケーション、心理学、社会学、ソフトウェア工学、品質管理など、複数の分野の知見を導入し、解を探します。
活動は皆さんの議論を中心に進めます。議論の中で、必要に応じて主査、副主査が方向付けや指導をさせていただきます。

 
 

第3分科会 ソフトウェアレビュー

 
 

: 中谷 一樹(TIS (株))
副主査 : 原 佑貴子(日本アイ・ビー・エム(株))
上田 裕之((株)DTS)


1. 活動のねらい
近年のソフトウェア開発において、レビューはソフトウェアの欠陥を早い段階で検出できる手段として、品質向上に寄与するだけでなく、コスト削減、納期短縮に有効な手段と言われています。
しかし、実際の現場においては、必ずしもその恩恵が受けられているとは言い難く、さまざまな悩みを抱えているのが実情ではないでしょうか。
本分科会では、レビューに関して研究生やその組織が抱えている課題を共有し、その解決策について議論していきます。
議論していく上で必要な知識やヒントとして、レビューに関する基礎知識、古典的技法や発展的技法、ならびに、実際の現場で効率的・効果的なレビューを行うための工夫・ノウハウ、個人のレビュースキルを向上させるためのテクニックなどを学びます。
そして、実際に演習で体験してそのやり方の良さや難しさを感じ取って頂き、自組織や自プロジェクトに適用しようとした場合に、どのような問題があるか、どんな工夫が必要かなどを考え、グループで議論していきます。
現場ですぐに役に立つレビュー方法、および、レビューの歴史を変えるような画期的なレビュー方法の考案、この両方を研究の対象とします。


2. 活動の進め方

(1)

研究生がレビューに関して抱えている問題・課題を出し合う

(2)

研究生全員で課題を共有し解決したいテーマを決定する

(3)

希望するテーマに応じてサブグループを作る

(4)

研究生主体でチーム運営を行う(サブグループごとのリーダは立てない)

(5)

主査・副主査は、基礎的な考え方、手法や方法論、最新情報、事例

などを紹介し、研究を進めて行くための助言と支援を行う
 
 

第4分科会 ユーザエクスペリエンス(UX)

 
 

: 金山 豊浩((株)ミツエーリンクス)
副主査 : 三井 英樹(Weblysts.com)
村上 和治(東京海上日動システムズ(株))


ユーザエクスペリエンス(以下、UX)とは、製品やサービスを利用した際の「体験」を重視する設計思想で、利用者の目的や意向に沿って心地良く効率良く使えるように調査・設計・評価・開発を行うベースとなるものです。本分科会では、UX の考え方・手法をどのように駆使すれば、ソフトウェアの開発と品質を向上させることができるのかを模索します。また同時に、日本の企業文化も考慮した上で、実業務の中での活用を検討・議論し、現場への展開案も探って行きます。
これまでの研究テーマから、どのような活動を行ってきたか、ご紹介いたします。

● UI設計(プロトタイピング)
   「体験」を伴ったソフトウェア開発における課題
   プロトタイピング手法の効果的な選択方法の提案
   使いやすいUIを設計するためのプロトタイピング手法実践に向けたツボ・勘所
●要求抽出と評価
   ターゲットユーザを明確にするためのペルソナ手法の実践と課題抽出
   満足度の構造およびその評価手法の提案
   ユーザエクスペリエンス(UX)手法を用いた企画品質評価の提案
●開発プロセス
   light WeightなUCD手法の提案
   開発現場におけるUCD アプローチ実践の課題
   Human-centred Design 手法の実践
   システム開発における利用者視点欠乏症の簡単自己診断と処方箋一覧

2015年度は、以下のキーワードを掲げて、研究員の意思を尊重してテーマを設定します。

UXデザイン手法の開発現場での実践、UX人材の育成
 
 

第5分科会 ソフトウェアテスト

 
 

: 奥村 有紀子((有)デバッグ工学研究所)
副主査: 秋山 浩一(富士ゼロックス(株))
喜多 義弘(東京工科大学)
アドバイザー : 堀田 文明((有)デバッグ工学研究所)


1. 活動のねらい
昨今ソフトウェア開発・テストの現場では、納期短縮やコスト削減の要求に対応しながら、システムや製品の品質や信頼性を確保していかねばなりません。その為には、ソフトウェア開発の上流工程でしっかりと品質を考え対策することはもちろん、テストの効率化を図り、品質リスクやビジネスリスクを回避しながらテストをマネジメントすることが重要です。
本分科会では、テストの基礎を学びながら、テストのさまざまな技術を習得し、テストの現場を改善する力を身につけることを目指します。成果の報告は、「経験論文」「事例発表」などで行う予定です。
ソフトウェアテストの基礎的な考え方や技法を学び、なにをどうすればテスト現場を改善できるのかを考え、実践します。一人では大変な現場の改善も、参加者全員で取り組み、主査・副主査がサポートすることで、可能となります。また、改善の考え方や手法を一通り実践するため、研究会終了後の現場の改善活動にも役立ちます。
最近は「テストの効率化」への関心が高く、テストの自動化の進め方、新しいテストツールの利用方法などをテーマとした研究も行っています。
意欲的で悩みの多いエンジニアの皆さま、一緒に考え、テスト現場を改善しませんか?


2. 活動の進め方
<前半: テストの基礎技術の取得(講義&演習)>
主査・副主査による講義を受講し、テストの基礎や最先端のテスト技術の知識を身につける。また、演習を通じ、理解度を高める。
テーマとしては、「ソフトウェアテストの基礎」「テスト技法」などを予定。

<後半: 現場での実践>

 前半に学んだ技術を現場に適用し、その結果から討議・指導を通して、改善の成果を出すことを主眼とした活動を行う。最後に成果をまとめ、報告する。
 
 

第6分科会 派生開発

 
 

: 飯泉 紀子((株)日立ハイテクノロジーズ)
副主査: 足立 久美((株)デンソー)
アドバイザー : 清水 吉男((株)システムクリエイツ)


1. 活動のねらい
派生開発とは、既存のソフトウェアをベースに新規機能を追加したり、一部の機能を変更したりする開発形態のことです。組込み機器の開発や保守開発に多く見られます。派生開発の初期段階では、変更要求の意図を理解することや、ソフトウェアの現状を既存資産から理解することが重要です。設計・実装段階では、機能追加や変更が、自システムや関連する他システムにどのような影響を与えるかを正確に特定しなければなりません。検証段階では、人員や期間といった厳しい制約の中、適切な計画と実施が求められます。第6 分科会では、派生開発における様々な問題を取り上げ、その解決策を議論・考案します。具体的には、変更箇所の特定や変更が及ぼす影響範囲の特定がうまくできないことによって発生する、変更漏れや工数見積り誤りなどの問題を扱います。派生開発をうまく進めるための方法であるXDDP(eXtreme Derivative Development Process)や、要求および仕様の記述法であるUSDM(Universal Specification Describing Manner)を学ぶ機会もあり、その活用を議論することもできます。
これまでの研究テーマには次のようなものがあります。
◆ 変更の影響範囲を効果的に特定する方法
◆ 隠れた変更箇所に気づけるようにするしかけ
◆ 新しい技術・手法を組織へ導入する方法

2.活動の進め方

(1) メンバーが抱えている問題や経験を整理する
(2)問題の本質を議論し、共有できる課題を明らかにする
(3)既存のプラクティスを調査し、課題の新たな解決方法を考案する
(4)考案した解決方法を試行し、効果を検証する
(5)成果を論文にまとめて発表する
これらの活動を通して、自分あるいは自組織のソフトウェア開発の現状について深く考えるようになります。そして、先行研究や他社との比較により、気づきや改善のヒントが得られます。また論文を作成する過程で、課題の設定から解決までの思考プロセスが身に付きます。

 
 

第7分科会 欠陥エンジニアリング

 
 

: 細川 宣啓(日本アイ・ビー・エム(株))
副主査 : 永田 敦(ソニー(株))


1.活動のねらい
歴史上、ソフトウェアエンジニアリングの技法は「早く」「良いもの」の生産を目指していました。近年進化を遂げた数多くの技法も、高品質・短納期を実現するために、様々な手法が提案されています。ところが現実の現場ではなかなか除去できない欠陥や思わぬ場所での障害発生等、品質面での苦労が絶えません。またプロジェクト計画立案中の品質管理計画や、派生時・改変時の変更影響分析等、手法と同じ程度に多種・多様な不具合や障害に悩まされています。
また別の観点では品質管理分野のうち、障害予測や欠陥予防といった様々な概念・手法が存在します。しかしそもそも「何の欠陥を予防するのか?」「どの障害発生を予測したいのか?」といった欠陥そのものに対する深い観察や研究が十分とは言えず、現代のプロジェクトに適合しない場面も散見されます。
 この事は、現存するソフトウェアの定量モデルの利用は、信頼度成長曲線や複雑度メトリクスの部分適用のみでは説明不可能・管理不可能な場面が生じていることからも容易に理解できます。
 本分科会では、ソフトウェア欠陥(以下S/W欠陥)に関する考察/研究/実験を通じて、未だに不完全な研究分野である「S/W欠陥」に関する議論を行います。特にS/W欠陥の先行研究を学習した後、未踏領域である 1)S/W欠陥の分類、 2)ソフトウェア欠陥の原因分析と予測モデル、 3)欠陥標本の保存や移転・共有、 4)欠陥のモデリング等について議論を行い、 5)各種技法への利用・適用、 6)障害予防・予測への応用、 7)新規・派生・保守改変についての利用、 8)ソフトウェア診断学への利用等についても幅広く議論を行います。例えばレビューやテストへの応用、派生開発やUX特有の欠陥研究等他の様々な分科会と連携しながら進めて参りますので、いずれの分科会に参画すべきか迷っていらっしゃる方にお勧めの分科会になります。
 参画に際して特段のスキルや知識・経験は要しません。じっくりとソフトウェアエンジニアリングの新たな試みを「楽しむ気持ち」だけお持ち頂ければ、どなたでも参画可能です。

2.活動の進め方

(1)広くオープンディスカッションにて解決すべき問題を特定します。
(2)適宜演習問題や、考察を通じて、欠陥の分類/分野特定を行います
(3)研修者の所属する企業より現場課題を持ち寄ります。
(4)主査、副主査は研究員と共に、欠陥研究の考え方、方法論の確立を目指してディスカッションに
参画・助言を行います。

最終的に欠陥研究の論文を(他の一般学会も視野に入れ)作成・発表します。

 
 

演習コースI ソフトウェア工学の基礎

 
 

: 鷲崎 弘宜(早稲田大学)
副主査 : 猪塚 修(横河ソリューションサービス(株))


1. 活動のねらい
ソフトウェアやそれにより提供されるサービスに品質を組み入れて保証し続けるためには、企画や要求から保守に至るまでライフサイクルのあらゆる段階において、理論や経験に裏打ちされたソフトウェア工学技術の活用が欠かせません。本コースは1 年間を通して、主要なソフトウェア工学技術の一通りを演習により深く体得する機会を提供します。
前提知識がないからと臆することはありません。ソフトウェア工学を一から学びたい方、現状のソフトウェア開発を改善したい方、スキルアップしたい方など、誰でもふるってご参加下さい。
本コースのポイント:

・代表的ソフトウェア工学技術を「一通り」体得
・産学両面に通じたその道の「第一人者」の講師陣による徹底指導
・とにかく実際に「やってみる」ことで深く理解し記憶
・組織を超えた「仲間作り」と情報交換
・定例会に加えて複数回の「演習臨時会」を実施するためお得


2. 活動の進め方と留意事項

●講師による講義を受講し、演習課題に取り組みます。
●講師および主査・副主査は演習や議論を通じて助言と支援を行います。
●演習および議論は必要に応じてチーム単位で行います。
●事前学習のための課題が出される場合があります。

3. 演習テーマ
以下の演習を予定しています(※)。講師など詳細は決まり次第公開します。

・見積もり
・要求工学、要求獲得、要求定義
・アーキテクチャ設計評価・、ブジェクト指向分析設計、モデリング
・ユーザビリティ、ペーパプロトタイピング
・レビュー、テスト、メトリクス
・アジャイル開発
※変更の可能性があります。これらのテーマはほぼ全て2014年度に実施し好評を博したものです。2014年度は臨時会を2回追加し、下記の全9回の演習を実施しました。
5月:レビュー、6月:オブジェクト指向分析設計、7月合宿:アーキテクチャ設計評価、8 月臨時会:ペーパプロトタイピング、10月:アジャイル開発、11月:要求工学、12月:メトリクス、1月:テスト、2月臨時会:見積り

 
 

演習コースII 形式手法と仕様記述

 
 

: 栗田 太郎(ソニー(株))
副主査: 石川 冬樹(国立情報学研究所)
アドバイザー : 荒木 啓二郎(九州大学 大学院)


1. 活動のねらい
ソフトウェアの開発現場では、曖昧な仕様に起因するトラブルが多く、課題のひとつになっています。先行する工程での問題は、後続の工程に先送りされ、より大きな問題へと発展していきます。後続の工程での修正コストは、先行する工程での修正コストよりも大きくなり、予定通りの開発や、システムの信頼性、安全性の確保は不確実なものになります。
仕様書は、システムの開発において何を作るのかを表すものであり、仕様の厳密な記述は、開発の上流工程における成果物の品質確保のために不可欠です。何を作ろうとしているのか、何を作ったのかを仕様として厳密に記述、維持することにより、開発と運用・保守、派生開発等を正確、精密に行うことができるようになるのです。そしてこれにより、設計や実装、テスト等の、仕様策定の後続の工程、プロジェクトマネジメント、開発現場におけるコミュニケーションを建設的に収斂させることができるようになります。また、要求の定義や利害関係者との対話を、自信を持って行うことができるようになります。
様々な抽象度の仕様を厳密に記述し、これを検証するための手段として、数多くの形式仕様記述言語や、記法、ツール等が提案されており、これらを活用した開発手法のひとつとしてモデル規範型の形式手法があります。形式手法とは、数理論理学に基づく科学的な裏付けを持つ言語を用いて設計対象の性質や機能を表現することで、ある側面の仕様を厳密に記述し、開発工程で利用する手段の総称です。形式的な仕様の記述により、属人性を排した厳密な仕様を組織立って表したり、仕様書の機械処理を行ったりすることができるようになり、システムの信頼性や安全性の確保等に向けた様々な可能性を開くことができます。
本コースでは、モデル規範型の形式手法のひとつである VDM( Vienna Development Method) を用いて、形式仕様記述の基本的な考え方や、言語、ツールの使い方を講義や演習、議論を通じて習得するとともに、日本語や英語等の自然言語を用いて書く仕様に対する追求と形式仕様記述言語を用いた場合との対比、開発現場における課題を解決するための形式手法の活用方法と期待する効果の検討等をグループまたは個人で行い、最終的には、手法や言語、ツールの習得に留まらず、システムの開発における品質やコミュニケーション、プロジェクトマネジメント等に関する幅広い問題について俯瞰し、解決策を模索することを目指します。


2. 活動の進め方
第 1 期(5~7月) : 講義や演習を通して形式手法や VDM に関する基礎を学びます。
また、主査が提示するテーマの候補に対する参加者の関心に基づいてグループ分けを行い、具体的な取り組み目標をグループまたは個人で定めます。
第 2 期(8~11月) : グループで活動を行います。また、外部の講師を招いて、講義の受講や演習、議論を行います。
第 3 期(12~2月) : 各グループまたは個人で成果をまとめ、発表します。


3. 留意事項
形式手法や VDM に関する知識や経験は必要ありません。実開発現場における問題意識をお持ちの方を歓迎します。ご応募にあたっては、以下の点にご留意ください。

・一度でもプログラムを書いた経験があることを前提として、講義や演習を行います
・演習の予習や復習、議論の準備のための、グループではなく個人で取り組むことができる宿題があります
・参加者の方々にノート PC をお持ちいただきます(OS の種類は問いません)



4. 講義や演習の内容と、グループワークのテーマの例[予定]

・形式手法と記号論理学、仕様記述、形式仕様記述手法の基礎【 講義・演習あり】
・自然言語による仕様の記述と、仕様書の体系
・VDM++ 言語による仕様記述とVDMTools の利用方法【講義・演習あり】
・抽象的な仕様や具体的な仕様のモデリング【講義・演習あり】
・仕様の記述やテストのためのフレームワーク
・開発現場の課題と仕様記述との関係性【講義・演習あり】
・開発現場への形式手法適用の方法とその効果【 講義・演習あり】
・特定の領域への適用に向けた DSL(Domain Specific Language)やガイドライン
・仕様と要求、設計・実装、テストのトレーサビリティ
・形式手法の俯瞰と、形式手法とその他の様々な手法、工夫との組み合わせ【講義・演習あり】

 
 

演習コースIII ソフトウェアメトリクス

 
 

: 小池 利和(ヤマハ(株))
副主査: 小室 睦(富士フイルムソフトウエア(株))
アドバイザー : 野中 誠(東洋大学)


1. 活動のねらい
ソフトウェア品質技術の1 つの柱とも言えるメトリクスに特化したコースです。ソフトウェアの品質保証、プロセス改善、開発力向上のためにメトリクスを活用したい方を対象にしたコースとなります。メトリクスの測定方法、分析手法、実践的な活用方法を演習とディスカッションを交えながら学びます。学習内容は、指導陣が執筆した書籍『データ指向のソフトウェア品質マネジメント』をベースとしていますが、それだけに留まらず参加者のニーズに即したものを加えていきます。単に分析手法を学ぶだけではなく、指導陣が実際に経験したケーススタディを通して現場での実践をイメージしてもらいます。そして、分析だけに留まることなくアクションに結び付けることが可能なレベルを目指します。また、学んだ内容を職場で実践するためのサポートもします。希望者には、差し支えない範囲で実際のデータ分析結果を見せてもらいながら、直接アドバイスすることも可能です。


2. 活動の進め方
各回、カリキュラムに沿って、講義、演習、ディスカッションを織り交ぜながら進めます。演習ではPCを用いたデータ分析も行います。
演習には、Excelを用いたデータ加工やフリーの統計パッケージ Rを用いた統計手法などが含まれます。ディスカッションでは、学んだ手法を実務で活用する方法について議論します。また、既に取り組んでいる人の事例を紹介しあうことで、実践のためのヒントを掴んでもらいます。


3. 留意事項
 1年間を大きく3つのフェーズに分けて進めていきます。各回の具体的なカリキュラムは以下の通りです。

 第1フェーズ:メトリクス活用目的の明確化、測定方法の習得

・メトリクス活用をビジネスゴールに結びつけるための分析技法(GQMなど)の習得
・開発工数、開発規模、欠陥といった基本メトリクスの測定、収集方法の習得
・サイクロマチック複雑度に代表されるようなプロダクトメトリクスの定義や測定ツールを知る

 第2フェーズ:データ集計、可視化、統計解析のためのツールの習得

・Excelを用いたデータ集計、グラフ化、それらを活用したマネジメントや改善のアクションに結びつけるための効果的な可視化スキルの習得
・統計パッケージRの基本操作習得

 第3フェーズ:様々なデータ分析手法の習得と実践事例を学ぶ

・基本統計量、ヒストグラム、検定、相関分析といった統計手法の基礎、および、それらをソフトウェア開発に適用した事例を学ぶ
・品質コスト分析、管理図といった品質管理手法、および、それらをソフトウェア開発に適用した事例を学ぶ
・見積り、予測を行うための回帰分析手法、および、それらをソフトウェア開発に適用した事例を学ぶ

 ※カリキュラムは、必ずしも上記の通りの順番となる訳では有りません。また、1つの項目が1回のカリキュラムになるとも限りません。難易度や習得効率を考慮して適宜組み立てています。

 
 

特別コース ソフトウェア品質保証の基礎

 
 

: 相澤 武((株)インテック)
副主査 : 真野 俊樹(SQA総合研究所)


1. 活動のねらい
ソフトウェアの品質保証に新たに取り組まれる方、改善や改革を目指している方を対象に「ソフトウェア品質保証の基礎」を習得することをねらいとしています。実務経験豊かな指導講師による講義と、講師と参加者および参加者同士のディスカッションを通じて、考える力を身に付け、自分自身のスキルとすることを目指します。


2. 活動の進め方
各回、前半は講義、後半はグループディスカッションとします。前半の講義では、ソフトウェア品質保証の基礎技術について、当該技術の専門家による講義を行います。講義の中では、必要に応じて演習も行います。主な講義テーマは、ソフトウェアの品質管理概論、品質マネジメントシステム、品質改善/改革技法、ソフトウェア生産管理技術、品質データ分析技術、レビュー技術、テスト技術、組込みソフトにおける品質保証、ソフトウェア品質管理の実際などであり、『ソフトウェア品質知識体系ガイド(SQuBOK)』の知識領域の多くをカバーします。 後半のグループディスカッションでは、各回の講義の内容について、参加者の事例発表や他の企業の参加者とのディスカッションを通じて、自社の改善に役立つ情報や知見を交換します。また、当該テーマに関する問題点と改善提言をまとめます。
なお、本コースは、定例の例会に加え、2 回の特別例会を行う予定です。各回、下記スケジュールに沿って実施します。

・13:00 ~15:30:講義
・15:30 ~18:00:グループディスカッション


3. 各回の活動の進め方
第1回(5月)
 ・ オリエンテーション、参加者の自己紹介
 ・ 「ソフトウェアの品質管理概論」の講義
第2回(6月)~第9回(1月)
 ・ 下記のカリキュラムに沿った講義及びグループディスカッションを行う。なお、1月の同時間には最終報告会と全体のまとめを実施
第10回(2月)
 ・ 他分科会の成果発表聴講
 ・ グループディスカッションの成果について、全体の成果発表会にて発表



テーマ 内容
1 ソフトウェアの品質管理概論 ソフトウェア品質管理の概要として、ソフトウェア品質の捉え方、品質管理のポイント等について説明する。
2 品質マネジメントシステム ISO9001 やCMM / CMMI 等ソフトウェアの品質マネジメントシステムについて説明する。
3 ソフトウェア生産管理技術(プロジェクト管理技術) ソフトウェア生産におけるQCD の管理手法や技術について説明する。
4 品質改善/改革技法 品質の改善/改革を進める上でのポイントや狙いどころ、技術等について説明する。
5 品質データ分析技術 品質データの分析技法(統計手法等)や品質データの収集/分析/評価の事例等について説明する。
6 レビュー技術 デザインレビューのポイント、技術、進め方等について説明する。
7 テスト技術 テスト項目設計技法、テスト実施のポイント等について説明する。
8 組込みソフトにおける品質保証

携帯端末、情報家電、車載機器等組み込みソフト領域が急拡大していることを踏まえ、その特性を踏まえた品質保証のポイントを説明する。

9 ソフトウェア品質管理の実際 代表企業におけるソフトウェア品質管理の事例を発表し、各種技術が実際にどのように適用されているかを習得する。
10 まとめ  

 
 

ソフトウェア品質のホンネ
SQuBOKソフトウェア品質体系ガイド
セミナー
SQiPセミナー
SQiPセミナー開催レポート
研究会
ソフトウェア品質管理研究会
シンポジウム
ソフトウェア品質シンポジウム
資格試験
ソフトウェア品質技術者資格試験
JSTQB 認定テスト技術者資格
国際会議
世界ソフトウェア品質会議
ASQN
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